「インターネット情報モラル・サイバー犯罪」をテーマに2015年7月3日、江戸川区立清新第一中学校(阿久津勝利校長)にて「セーフティー教室」を行いました。約400名の全学生及び一部のPTAの方も含め1時間弱の内容となりました。

1.ネットやスマホの利用現況

東京都の中学生に関しては携帯又はスマホの所持率が2014年文科省調べで85.4%となっています。また音声通話やメールよりも「チャット(LINEのトークなど)」が会話以外のコミュニケーション手段として使われているという調査結果もでています。(下図表1)(新生銀行カードローン レイク調査(2014/11/28))

20150703_江戸川区清新第一中学校_新生銀行意識調査結果

2014/11/28_新生銀行意識調査結果

言わば「SNSアプリケーションを利用したコミュニケーションは当たり前」という時代です。当日は同校の生徒さんにも「スマホや携帯電話を持っているかどうか」をその場で質問をしてみました。すると約60%程度の生徒さんが挙手をしてくれました。

 

2.今後予測される生活の中でのスマートフォン

(1)媒体のはらむ危険性について

スマートフォンそのものが国内で個人サービスとして使い始められたのは、つい数年前のことですが急速に情報化社会は進展しています。スマートフォンがより便利になる一方で、外からはみえない閉じた環境であること。また、「親の世代」以上に子供を含む「若い世代」がよりスマートフォンに順応し易く使いこなすことでの弊害もでてきています。子供達が「何に使っているか」「何を使っているか」を親が知り得ないケースも多いです。

(2)教育現場での活用

シンガポールなど海外では、2年以上も前からスマートフォンを動かしながらの授業を行っている国もあります。今後日本でも「デジタル教科書」が開発されていくでしょう。塾や学校でのタブレット導入も進むことが予測され、より日常的にインターネットに触れ、スマートフォンやタブレットを使うことになるでしょう。

(3)情報教育

文科省の示す学習指導要領により、各教科で「情報リテラシ」の観点の盛り込みが進んでいます。生徒に教えると同時に教員向けにも「情報モラル研修」の実施が盛んです。

(4)江戸川区では積極的な取組み

江戸川区では授業の中でIT機器を活用して学ぶ場面を効率的に授業に取り入れよう としています。夏休みには教員を対象にしたIT機器活用研修を区が主導で実施してい ます。

(5)校則による管理

私立の中学や高校では自主性を重んじることを目的に今まで校則が無い学校も多く ありました。しかしスマートフォンの普及と並行し、授業中の使用規制や学校滞在時 間帯中の使い方をルール化し「適切に使う自覚」を促すような傾向もでてきています。

 

3.最近の主な使われ方

(1)Facebookについて

Facebookはネット上でのオープンな情報交換・交流の場として使われています。知らない人とも同じ趣味等共通の話題について話すこともでき、現代のコミュニケーション手段の主流のひとつです。一方「いつ」「どこで」「何をしているか」の情報はアプリケーションを運営する側にもデータで詳細にとられています。それをもとに、利用者が思っている以上に細かな行動分析がされ、その結果「本人行動に基づく広告」が自動表示されたりもします。

(2)LINEについて

LINEは特にクローズドなコミュニケーション手段として(特に日本では)主流となっています。スタンプなどを使い画像だけで会話する機能もあります。またグループチャットと言い、招待されたメンバーだけでグループを作り会話を複数名で行うことも出来ます。相手が読んだかどうかを「既読通知」という機能(LINEの特徴的機能のひとつ)により、送り主が知ることもできます。

(3)ゲーム

ゲーム用途でもよく使われています。特に子供たちはそれによって気軽にスマートフォンに慣れ親しんでいく部分があります。同校でも「スマートフォンでのゲーム利用」について「実際にゲームをしますか」投げかけたところ非常に多くの生徒さんの手が挙がり、関心の高さが伺えました。(スマホ所持者よりも多い)

(4)スマ勉

スマートフォンを勉強に活用することです。

「調べものが楽」「人に聞ける」「どこでも勉強できる(隙間時間の有効活用)」等の利便性があり、スマートフォンを利用し勉強するという人が増えています。

 

4.危険はどこにひそんでいるか、何が危険かについて考えてみよう

「危険行動」について6つの例を挙げ、その中で「何が一番危険か」について生徒さん同士で少し時間をとって話し合い、考えてもらいました。

20150703_江戸川区清新第一中学校社長アップ

20150703_江戸川区清新第一中学校 講演の様子

講演で挙げた「6つの危険行動」の例

A.ネット上で知り合った人に会いに行く。

B.たまたま見つけたサイトで商品を購入する。

C.歩きながらスマホでLINEやゲームをする。

D.よく知らない人にIDとパスワードを教える。

E.自宅や学校の情報をネット上に書き込む。

F.他人の悪口や悪評をネット上に書き込む。

 

その上で、いくつかについて少し深く掘りさげ事例を含め共有しました。

(1)ネットいじめ

LINEでの「ネットいじめ」をはじめとする、トラブルの事例をいくつか共有しました。願いがかなうなどのメールの拡散依頼「チェーンメール」、グループを作った後にそのグループから外す「LINEはずし」、「テキストのみの会話により誤解が生じる」などのケースを取り上げました。

また、LINEが日常化し「会話を終わらせるタイミングが分からない」「眠れない」などのネット依存的な傾向も深刻な問題になりつつあります。

(2)炎上

ネットは瞬時で世界とつながることができ、一度挙げた内容は「消せない」ということを大前提として理解する必要性を共有しました。「これくらいなら」「私たちの仲なら」という気楽な気持ちで載せた内容でも予測を越えて広がることがあります。

また、なんらかの不祥事をきっかけにネット上に載せた情報が爆発的に注目を集めることを「炎上」といいます。「炎上」により「進学や内定の取り消しになる」「両親が職を失う」など広くまで影響する例が実際に起きています。

(3)ネットからリアルの非行や犯罪へ

ネット上の「うまい話」「効率の良いアルバイト」等の情報から、気がついたら振り込め詐欺の「受け子(お金を受け取る役)」になってしまったケースも最近は多くなっています。この組織犯罪は一度関わると、抜けることも容易ではありません。

 

5.大人の関わり方

(1)安全を守る、見守るための仕組みの導入

キャリアや事業会社が提供するフィルタリングソフトにより、有害な情報に触れる機会を極力減らすこと、そして弊社提供のアプリケーションソフト「Filii」などのように、危険に気付ける仕組みの導入を検討しましょうというお話をさせていただきました。こういった仕組みの導入は、ネット利用について話し合う機会にもなります。そしてこれから先も「安全に使おう」という心掛けのスタートになります。

(2)デジタル・ディバイド

デジタル・ディバイド(インターネットを使いこなせるかどうかにより及ぼされる格差のことを意味し、講演では「インターネットやスマートフォンの使い方を大人よりも子供の方が詳しい場合がある」という点で触れました)による弊害も今後心配される主な点です。

しかしその一方でやはり大人の方が「事の良し悪し」についての判断はできます。親は子供が置かれている環境や巻き込まれている状況を知る努力をしましょう。「話し合える環境」を家庭内で築き積み上げていくことが大事です。

 

6.まとめ

スマートフォンはとても便利です。これからの時代、インターネットと生活はますます密接になってくると予想されます。だからこそ色々な機会に「スマホの危険性について」まずは個々が知ることが大事です。知った上で危険を意識して使うことが求められます。

また親子間では何よりも家族の会話を通し、事前に変化に気づけることも大事です。学校もそれらのサポートに積極的に関わっていただき事件や事故を未然防止し、楽しくインターネット向き合ってスマートフォン等を使いこなしていきましょう。

 

 

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